『元 趙孟頫 閒居賦』ほか故宮博物院の名蹟（巻子本）を出張買取

趙孟頫は南宋の第二代皇帝の同母兄・趙伯圭の玄孫という宗室（広義の皇室）の生まれです。書家・画家としてだけでなく官吏として王朝に仕えました。
趙孟頫が生まれたのは宝祐2年（1254）であり、そのころ南宋はモンゴル帝国との戦争が断続的に行われていました。そのような情勢下だったため、趙孟頫も官僚となり地方官として真州の司戸参軍に加わりますが、祥興2年（1279）に南宋が滅亡したため呉興（浙江省）に隠退しました。なお、南宋の滅亡時に国に殉じた忠臣は他の王朝に比べてはるかに多かったとされています。
至元23年（1286）、趙孟頫は元王朝の初代皇帝であるクビライ（フビライ）に招かれ、以後は奉訓大夫、兵部郎中、翰林学士承旨、栄禄大夫などに任じられ元王朝に仕えました。南宋を滅ぼした元王朝に仕えたことは一族からも非難され、後世での評価も下げられています。しかしその一方で趙孟頫は書画や詩文に傑出した元代随一の文人であり、元初の芸術界に指導的役割を果たした第一人者でもあります。

趙孟頫は「書聖」と称される王羲之のほか南宋初代皇帝の高宗、鍾繇、王献之、李邕を学び、楷書・草書・行書・篆書の全てに優れています。中国史上では王羲之をも超えた第一人者と評され、日本や朝鮮の書にも影響を与えました。『蘭亭帖十三跋』『与中峰明本尺牘』などが代表作です。
故宮博物院に所蔵されている『閒居賦』は趙孟頫の晩年に制作された作品です。行間が朗らかで結体も整っていることから、晩年に学んだ唐代の書家・李邕の影響が大きいことが指摘されています。なお、故宮博物院には蘇軾（蘇東坡）の代表作である『赤壁賦』を趙孟頫が書いた『前後赤壁賦』も所蔵されています。

趙孟頫ほか宋・元の書家など中国の書道に関する古書の買取強化中！

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以前には『楽善堂帖 全2冊』『中国書法墨跡鑑定図典』『槐安居楽事 宋元明清の絵画法書法帖碑拓』『元趙孟頫書福神観記』などの中国書道に関する古書や紙ものを出張にて買取りさせていただきました。お手元に気になる品がありましたらお気軽にご相談ください。

【当店取扱商品】

書名：北魏楷書字典
著者：梅原清山編
出版社：二玄社
発行年：平成15年（2003）

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