草双紙『釈迦八相倭文庫』ほか和本・古典籍を出張買取いたしました
『釈迦八相倭文庫 全58編』『北雪美談時代加々見 全48編』ほか江戸時代の和本や明治時代前期までに制作された浮世絵・錦絵といった紙ものなどの古典籍、川瀬巴水ほか昭和時代の新版画や創作版画といった木版画を出張にて買取りさせていただきました。大切にされていたものをお譲りくださりありがとうございます。
こちらの買取事例は江戸時代に刊行された草双紙ほか和本、歌川国芳・落合芳幾ほか合戦絵、二代歌川国貞ほか美人画、月岡芳年ほか戦争絵、役者絵を中心とした浮世絵貼込帖、川瀬巴水ほか木版画の6つに分けてご紹介いたします。
川瀬巴水ほか木版画に関しては「川瀬巴水ほか新版画や創作版画といった木版画を出張買取いたしました」、役者絵を中心とした浮世絵貼込帖に関しては「歌川国貞ほか役者絵・名所絵・武者絵など浮世絵や錦絵を出張買取」、歌川国芳ほか合戦絵などの浮世絵に関しては「歌川国芳ほか合戦絵や武者絵の浮世絵・錦絵を出張買取いたしました」、二代国貞ほか美人画や源氏絵などの浮世絵に関しては「二代目歌川国貞ほか美人画などの浮世絵・錦絵を出張にて買い取り」、豊原国周や楊洲周延ほか役者絵の浮世絵に関しては「豊原国周や楊洲周延ほか役者絵の浮世絵を出張買取いたしました」をご覧ください。
- 出張買取
- 2019年7月5日
地 域 | 東京世田谷区 |
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買取分野 |
【商品詳細】
- 書 名 : 釈迦八相倭文庫 全58編
- 著 者 : 万亭応賀 三世歌川豊国・二世歌川国貞・河鍋暁斎画
- 出版社 : 上州屋重蔵版
- 発行年 : 弘化2年(1845)
書名:北雪美談時代加々見 全48編
著者:為永春水・柳亭種清 二世歌川国貞・四世歌川豊国画
発行年:嘉永8年(1855)
書名:白縫物語 全90編
著者:柳下亭種員・二世柳亭種彦 三世豊国・二世国貞ほか画
出版社:藤岡屋・広岡屋梓
発行年:嘉永2年(1849)
草双紙・読本・滑稽本ほか和本などの古典籍は専門家から需要があります
江戸時代の中期頃から江戸で出版された絵入り娯楽本を「草双紙」といいます。草双紙は刊行時期や内容などから赤本・黒本・青本・黄表紙・合巻に分けられます。赤本は子供向けの昔話や絵解きなどを菱川師宣・近藤清春・鳥居清満・奥村政信といった浮世絵師が本文と挿絵を手がけたものです。のちに大人向けの内容も出版され、元禄年間(1688-1704)から享保年間(1716-1736)に最盛期を迎えました。
延享年間(1744-1748)から宝暦年間(1751-1764)に流通した黒本は、歴史物語・霊験記・武勇伝・軍記物・恋愛物のほか、浄瑠璃・歌舞伎・謡曲といった芸能作品のあらすじなども制作されました。浮世絵師だけでなく、観水堂丈阿などの戯作者も執筆しました。しかし体裁が地味であったため廃れることになります。
黒本と同じく延享年間に始まった青本はその内容も似ていましたが、時代とともに色恋・遊郭・滑稽・諧謔に関する内容が盛んに出版されました。浮世絵師が本文を手がけたほか、絵師と戯作者の分業も進みます。
そして安永4年(1775)の『金々先生栄花夢』をきっかけに、青本のなかで大人や知識層向けに記された文芸作品が黄表紙と呼ばれるようになります。黄表紙は古典作品に洒落や滑稽などを交えて風俗・世相を漫画的に描き綴ったもので、山東京伝や朋誠堂喜三二などが活躍しました。
しかし寛政の改革(1787-1793)で出版統制が行われたことで黄表紙の多くは発禁となり、真面目な内容へ方向転換せざるをえなくなります。そうして次の題材となったのが仇討ち物です。
仇討ち物はその内容から長編化し、もともとは5丁(袋綴じが5枚)で1冊、1~2冊または2~3冊で1編という構成だった草双紙は、5丁1冊の冊数が増えたことから10~15丁を纏めて綴じられるようになります。これが合巻であり、有名な作者には山東京伝・十返舎一九・曲亭馬琴・式亭三馬・柳亭種彦・為永春水・笠亭仙果などがいます。
買取させていただいた『釈迦八相倭文庫 全58編』『北雪美談時代加々見 全48編』『白縫物語 全90編』はどれも合巻です。『釈迦八相倭文庫 全58編』は釈迦の一代記を分かりやすく作り変えたもの、『北雪美談時代加々見 全48編』は加賀藩のお家騒動に着想を得た長編伝奇小説、『白縫物語 全90編』はキリシタン大名である大友義鎮(大友宗麟)の娘の若菜姫(白縫)の復讐を中心とした長編です。
愛書館中川書房では柳亭種彦『偐紫田舎源氏 全40編』『雁金紺屋作早染 全6巻』、式亭三馬『稗史億説年代記 全3巻』『七福譚 全4巻』『腹之内戯作種本 全3巻』、山東京伝『薄雲猫旧話 全6巻』『御存商売物 全3巻』『金々先生造化夢 全3巻』、十返舎一九『絵本膝栗毛 全9編』『十偏舎戯作種本 全2巻』『諸国道中金草鞋 全24編』、曲亭馬琴『傾城水滸伝 全13編』『駅路鈴与作春駒 全6巻』といった黄表紙・合巻ほか草双紙など江戸時代の和本・古典籍の出張買取を承っております。草双紙だけでなく読本・浮世草子・滑稽本・洒落本などもお任せください。
以前には『絵本金毘羅神霊記 全10冊』『国性谷合戦 全6巻』『渡世勘弁世間手代気質 全5冊』『傾城歌三味線 全5冊』『滑稽素人芝居』『敵討猫魔屋敷』などの草双紙・滑稽本・読本ほか江戸時代の和本(古典籍)を出張にて買取りさせていただきました。草双紙だけでなく江戸時代に刊行された和本などの古典籍は、専門家や研究者から需要があります。
【当店取扱商品】
『善悪道中記 全7冊』池田英泉・楽亭西馬ほか 歌川国芳・歌川貞秀ほか画 頂恩堂/『敵討蟒蛇榎 全5巻』南杣笑楚満人 歌川豊国/『唐人髷今国性爺 全6巻』柳亭種彦 歌川国貞画
書名:南総里見八犬伝 全98冊
著者:曲亭馬琴
出版社:丁子屋平兵衛版
発行年:文政13年(1830)~天保13年(1842)
草双紙ほか江戸時代の和本・古典籍に関する古本の買取強化中!
このほか愛書館中川書房では『草双紙研究資料叢書 全8冊』『江戸の絵本 初期草双紙集成 全4冊揃』『北斎読本挿絵集成 全5冊』『江戸本屋出版記録 全3冊』など、江戸時代に刊行された草双紙ほか和本そのものだけでなく近年刊行された叢書や全集、江戸時代の出版事情などに関する古本の出張買取も承っております。
『馬琴中編読本集成 全16冊』『江戸戯作の研究 黄表紙を主として』『浮世草子の研究 八文字屋本を中心とする』などお手元に気になる品がありましたらお気軽にご相談ください。
書名:草双紙の世界 江戸の出版文化
著者:木村八重子
出版社:ぺりかん社
発行年:平成21年(2009)
愛書館中川書房は東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県など関東地方を中心に全国各地へ無料出張買取にお伺いしております(内容・量・地域によっては出張や買取りができない場合があります)。江戸時代の和本・古地図・絵巻ほか古典籍や明治時代・大正時代といった戦前に刊行された書物、近年刊行された学術専門書など、幅広い分野の古本や紙ものが買取対象です。詳しくは取扱分野をご覧ください。
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