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東京都港区にて展覧会「六本木開館10周年記念展 天下を治めた絵師 狩野元信」が開催されています。
9月16日(土)より、サントリー美術館(東京都港区赤坂)にて「六本木開館10周年記念展 天下を治めた絵師 狩野元信」が開催されています。
六本木開館10周年記念展 天下を治めた絵師 狩野元信
会場:サントリー美術館(東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階)
会期:9月16日(土)~11月5日(日)※展示替あり
休館日:火曜日
※10月31日(火)は開館
開館時間:10:00~18:00(金・土は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
入館料:一般1,300円 大・高生1,000円
※中学生以下無料、9月30日(土)は一律500円
今回取り上げられている狩野元信(1476?-1559)は、室町時代中期(15世紀)から江戸時代末期(19世紀)までの約400年にわたり常に画壇の中心にいた日本絵画史上最大の画派である狩野派の祖・狩野正信の子です。元信は狩野派2代目にあたる室町時代の絵師であり、父である正信の得意とした漢画(中国絵画、唐絵)や水墨画に大和絵(日本的な絵画)の画法を取り入れ、襖や屏風というような大画面の装飾を得意としました。そして時の権力者であった足利将軍や有力守護大名であった細川氏、織田信長との石山合戦で有名な石山本願寺、有力町衆(裕福な商工業者)との結び付きを強めていきます。武家にとどまらず公家や寺社からの注文にも応えたという元信の描いた作品の種類は幅広く、障壁画・大和絵風の金屏風・肖像画・寺社の縁起絵巻・絵馬などを手掛けています。また、町衆には絵付けした扇の販売を積極的に行うなど、当時の扇座(同業者組合)の中心人物でもありました。「法眼」という僧位を与えられたことから、後世には「古法眼」「越前法眼」とも称されています。代表作としては「白衣観音図」「細川澄元像」「四季花鳥図」「瀟湘八景図」などの作品が挙げられます。
また、元信は書道の書体である楷書・行書・草書になぞらえ、絵画における「真体」「行体」「草体」という画体の概念を確立しました。真体は南宋の代表的な院体画家である馬遠と夏珪、行体は宋末元初の水墨画家として名高い牧谿、草体は南宋末の画僧である若芬玉澗の画風が元になっています。主に公的な接客空間には真体、日常的に使用する私的空間には行体・草体が用いられました。画体は複数の画家が一定のスタイルで作業できるようにするための方法であり、絵画教育のシステムを確立したことで江戸時代の美術学校としても機能していたという説もあります。狩野派は血族や師弟関係によって維持され、元信は画家集団としての狩野派の基盤を確かなものにしました。
室町幕府が崩壊したのち、狩野派の絵師たちは織田信長・豊臣秀吉・徳川家康といったその時々の権力者と結び付くことで常に画壇の中心を占めました。狩野派の有名な絵師には、安土城・大坂城の障壁画を制作した狩野永徳、江戸城・二条城の障壁画の制作を指揮した狩野探幽などがいます。
普段はあまり目にする機会のない寺院収蔵の作品などが多数展示
今回サントリー美術館で開催される展覧会「六本木開館10周年記念展 天下を治めた絵師 狩野元信」では、狩野元信の作品・業績などが「天下画工の長となる 障壁画の世界」「名家に倣う 人々が憧れた巨匠たち」「画体の確立 真・行・草」「和漢を兼ねる」「信仰を描く」「パトロンの拡大」の全6章で構成されています。そのなかには重要文化財や指定有形文化財などに登録されている代表作も展示され、普段は京都の寺院などに収蔵されている作品など、東京ではあまり見る機会のない日本画たちも多数展示されます。
〈展示作品〉
「四季花鳥図」「禅宗祖師図」「朱買臣図」
「枇杷蓮根柘榴柿」「清凉法眼禅師・雲門大師図」
「薬山李翺問答図」「竹石白鶴図屛風」「瀟湘八景図」
「酒呑童子絵巻」「釈迦堂縁起絵巻」「細川澄元像」
「神馬図額」「繋馬図絵馬」「富士曼荼羅図」 ほか
江戸時代ほか日本美術関係の古本を買取強化中!
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カテゴリ:即売会・展覧会情報
2017年9月22日
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