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東京都文京区にて展覧会「文豪・泉鏡花×球体関節人形展」が開催されています。
7月1日(日)より弥生美術館(東京都文京区)にて特別展「文豪・泉鏡花×球体関節人形展 ~迷宮、神隠し、魔界の女~」が開催されています。
文豪・泉鏡花×球体関節人形展 ~迷宮、神隠し、魔界の女~
会場:弥生美術館(東京都文京区弥生2-4-2)
会期:7月1日(日)~9月24日(月・祝)
休館日:月曜日、7月17(火)、9月18日(火)
※7月16日、8月13日、9月17・24日は開館
開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
入館料:一般900円 高校・大学生800円 小・中学生400円
明治時代後期から昭和時代初期にかけて活躍した小説家・泉鏡花は、明治6年(1873)に石川県金沢市で生まれました。明治22年(1889)に尾崎紅葉の『二人比丘尼 色懺悔』を読んだことで文学を志すことを決意して半年後に上京、明治24年(1891)には尾崎家での書生生活を始めます。尾崎紅葉は当時から明治時代における文壇の重鎮として知られており、泉鏡花のほか田山花袋や徳田秋声が門下生となっています。
明治26年(1983)、泉鏡花は尾崎紅葉の斡旋によって新聞社に処女作「冠弥左衛門」の連載を始めます。以後、尾崎紅葉は病床にあっても原稿の添削をするなど門下生である鏡花に親身になり、鏡花は父亡き後の家計を文筆で支えました。初期の傑作といわれる『夜行巡査』『外科室』はこの頃に発表され、鏡花の小説家としての立場が固まる契機となります。
泉鏡花が人気作家の1人として数えられるようになったのは恩師である尾崎紅葉の死後、明治40年代のことです。『婦系図』『歌行燈』『袖珍本鏡花集 全5巻』などが発表・刊行されています。
泉鏡花の作品は明治時代における資本主義社会の内面にひそむ矛盾・問題点を指摘するという社会性の強い「観念小説」から始まり、明治29年(1896)に発表された『照葉狂言』からは浪漫的・神秘的な作風へと転じます。謡曲・浄瑠璃・読本・合巻といった江戸時代の文芸の影響を強く受けた幻想的で浪漫に満ちた、繊細優雅な文体で描かれた独自の世界は多くの作家に影響を与えました。
なお、鏡花の作品の装幀や挿絵の大半は鏑木清方か小村雪岱によるもので、初版本の美しさも評価されています。
泉鏡花文学を再現した人形のほか、作品の口絵などが展示されます
現在弥生美術館で開催されている展覧会「文豪・泉鏡花×球体関節人形展 ~迷宮、神隠し、魔界の女~」では、泉鏡花の作品の中に登場する女性たちを複数の人形作家が表現しています。
恋人が惨殺されて狂気に陥っていく女性、
また、明治時代から大正時代において泉鏡花の作品を飾った木版や石版の口絵・挿絵、肉筆の手紙なども展示され、泉鏡花の人生と文学について知ることができます。
〈展示作品〉
吉田良「高野聖」、陽月「絵本の春」「星の歌舞伎」
愛実「琵琶伝」、水澄美恵子「草迷宮」、ホシノリコ「革鞄の怪」 ほか
なお、「文豪・泉鏡花×球体関節人形展 ~迷宮、神隠し、魔界の女~」の開催に合わせて、河出書房新社からは写真集『鏡花人形 文豪泉鏡花+球体関節人形』が6月末に刊行されています。
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カテゴリ:即売会・展覧会情報
2018年7月6日
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