出張買取地域：江戸川区の古本・古書出張買取なら中川書房

東京都江戸川区の西側に位置する小松川地区は、かつて幕府直轄領で御鷹場のひとつでした。八代将軍の徳川吉宗が訪れた際、ここ一帯で採れた青菜を気に入り「小松菜」と名付けたといわれています。俳人の小林一茶もその人気ぶりを句に詠むなど小松菜の名声は高まり、現在も吉宗に小松菜を振る舞った神主・亀井和泉守の屋敷跡である小松菜屋敷や小松菜神社と呼ばれる新小岩香取神社などの史跡が残っています。江戸川は水質が良いことでも知られており、将軍家の茶の湯や野田の醤油にも使われていたそうです。江戸時代の多くの舟人たちに信仰され『お熊ん様』と呼ばれていた熊野神社社前に流れる江戸川の深い淵を、松尾芭蕉は『茶水汲むおくまんだしや松の花』と詠みました。

江戸時代の東京都江戸川区ゆかりの文人には、江戸時代中期から後期に活躍した歌舞伎作者・福森久助や、江戸時代後期の戯作者・浄瑠璃作家の烏亭焉馬がいます。福森久助は3世坂東三津五郎の引き立てもあり、江戸歌舞伎の爛熟期、4世鶴屋南北に次ぐ江戸の立作者として活躍しました。先行作品の翻案・改修や、京坂の芝居を江戸狂言に引き直すことにあったといわれ、長唄、清元の歌詞創作にも才能を発揮しました。
東京都江戸川区西瑞江には、歌舞伎役者のお墓が多くあることから「役者寺」とも呼ばれる大雲寺があります。市村羽左衛門や坂東彦三郎、中村勘三郎など有名な歌舞伎役者の累代墓のほか、江戸時代後期の絵師・池田狐村のお墓もあります。
当店では写本・版本などの古典籍をはじめ、文学関係の専門書・初版本・署名本・原稿・草稿・色紙など文学関係の古書を出張にて買取させていただいております。

明治時代の東京都江戸川区ゆかりの文人には、俳人の富田木歩、プロレタリア文学作家の細田民樹などがいます。作家の北原白秋は大正5年からの1年間を小岩の三谷で暮らしました。北小岩の八幡神社境内には北原白秋の歌碑があります。
北小岩の宜要寺には作家の永井荷風の句碑があります。永井荷風は『断腸亭日乗』の中で江戸川と深い関わりを持ち、特に隣接する市川氏に移住してからは晩年度々江戸川区を歩いていました。大正から江戸川区内の水郷や情緒を愛し、長文の記述を日記に記しています。

俳人・石田波郷は一時期、東京都江戸川区葛西に暮らしていました。石田波郷の『江東歳時記』は昭和30年代の東京の東の風景を記録した作品で、当時の江戸川区の写真も収録されています。戦後の俳壇を先導し、大きな功績を残しました。東京都江東区の砂町文化センター内には、石田波郷記念館があります。波郷の俳句文学活動、その生涯などをご遺族から寄贈された遺品・作品を中心に展示紹介しています。

現代の東京都江戸川区ゆかりの作家には、東京都江戸川区北小岩出身で児童文学の名作『ルドルフとイッパイアッテナ』で知られる斉藤洋や、20代の頃に東京都江戸川区小岩に暮らした作家の椎名誠、東京都江戸川区出身で2013年に松本清張賞を受賞した作家の山口恵以子、俳人で深夜叢書社主宰の齋藤愼爾などがいます。

東京都江戸川区には、江戸川区郷土資料室・地下鉄博物館などの博物館や、杉山美術館・関口美術館・春花園盆栽美術館などの美術館があります。当店では美術関係の書籍・版画・リトグラフ・掛軸・絵画など美術関係の古本の出張買取にお伺いしております。