『仁科芳雄往復書簡集 現代物理学の開拓』ほか理工学の古書を出張買取

書名：仁科芳雄往復書簡集 現代物理学の開拓 全4冊
著者：中根良平・仁科雄一郎・江沢洋他編
出版社：みすず書房
発行年：平成18年（2006）

新物理学選書 岩波書店
『巨視的トンネル現象』高木伸
『電子相関の物理』斯波弘行
『共形場理論と1次元量子系』川上則雄・梁成吉
『量子ホール効果』吉岡大二郎

『現代物理学の創造 全3冊』仁科記念財団編 シュプリンガー
『重い電子系の物理』上田和夫・大貫惇睦 裳華房
『拡散現象の物理』深井有 朝倉書店

『高温超伝導の科学』立木昌・藤田敏三編 裳華房
『新版スピンはめぐる 成熟期の量子力学』朝永振一郎・江沢洋注 みすず書房
『多体電子論 強磁性』草部浩一・青木秀夫 東京大学出版会

『量子力学 全3冊』朝永振一郎 みすず書房
『金属絶縁体転移』小野嘉之 朝倉書店
『メソスコピック物理入門』Y.イムリー 樺沢宇紀訳 吉岡書店

物理学・天文学・生物学・化学・土木工学など専門性の高い理工学関係の古書は研究者などから需要があります

仁科芳雄は「日本の現代物理学の父」といわれる物理学者です。主に宇宙線（宇宙空間を飛び交う高エネルギーの放射線）や加速器（荷電粒子を加速させる装置）に関する研究で業績をあげました。
明治23年（1890）に岡山県で生まれた仁科芳雄は岡山県立岡山中学校、旧制第六高等学校、東京帝国大学の工科大学電気工学科を首席で卒業します。大学卒業の翌日には理化学研究所（理研）の研究生になり、大正10年（1921）には理化学研究所の研究員補として2年間のヨーロッパ留学が決まります。ケンブリッジ大学キャヴェンディッシュ研究所やゲッティンゲン大学に滞在したのち、デンマークの理論物理学者ニールス・ボーアの講演を聴いて物理学の新しい分野の研究に興味を持ち、コペンハーゲン大学にあるニールス・ボーアの研究室に移り、およそ5年半のあいだ研究員として過ごしました。
昭和3年（1928）12月に日本へ帰国すると理化学研究所の長岡半太郎研究室に所属し、昭和5年（1930）11月には東京帝国大学で理学博士の学位を取得します。翌年には理化学研究所内に仁科研究室を立ち上げ、量子論・原子核・X線・宇宙線などの研究を行ないました。昭和10年（1935）に理化学研究所内に原子核実験室が設けられると、昭和12年（1937）には仁科芳雄の主導で日本で最初の26インチ小型サイクロトロン（核粒子加速装置）を完成させます。これによりウラン237の存在やウラン235の対称核分裂の発見ほか数々の成果をあげました。

当時、アメリカの科学技術の高さを理解していた仁科芳雄は太平洋戦争には反対していましたが、昭和15年（1940）に陸軍航空本部が理化学研究所の所長へウランを用いた新型爆弾の開発研究を秘密裏に依頼し、仁科研究所へ託されました。それにより仁科研究所では原子爆弾の理論的可能性の検討が行われ、昭和18年（1943）にウランの分離によって原子爆弾が作れる可能性を示した報告書が陸軍へ提示されます。これにより陸軍航空本部の直轄で研究を続行させることになった仁科芳雄は、陸軍より召集解除の特権を得て研究員を集め、仁科研究室が中心になって原子爆弾の開発（通称「二号研究」）が行われることになります。また、同年には高エネルギーの粒子ビームが得られる大型サイクロトロンを完成させました。
しかし昭和20年（1945）4月13日の東京大空襲により理化学研究所の大部分は被災し、日本の原爆開発は潰えます。その後、広島や長崎への新型爆弾投下の際は政府調査団の一員として現地入りし原子爆弾であると断定、終戦の日にはラジオ放送において原子爆弾の解説を行いました。
戦後は理化学研究所の所長に就任して文化勲章を授与され、理化学研究所が解散してからは株式会社科学研究所（現在の科研製薬）の初代社長、学士院会員、日本学術会議第1期副会長を務めています。
肝臓癌により60歳で亡くなりますが、朝永振一郎や坂田昌一といった弟子がおり、孫弟子にあたる南部陽一郎・西島和彦・大貫義郎・小林誠・益川敏英や日本人として初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹など多くの日本の物理学者に影響を与えました。

愛書館中川書房では『アインスタイン全集 全4冊』『朝倉物理学大系 全21冊』『数学の歴史 全5冊』『原子核構造 全2冊』『近世日本天文学史 上下2冊』『流砂の水理学』『土木・建築のための確率・統計の応用』など物理学・天文学・生物学・化学・土木工学など理工学に関する古書の出張買取を承っております。理工学者の著作ほか専門性の高い古書は研究者などから需要があります。
以前には『現代数学の系譜 全14冊』『物理的運動学』『原子構造とスペクトル線』『磁気工学ハンドブック』『分光の基礎と方法』『有機化合物の酸化と還元』『生物学データ大百科事典』『日本天文史料 全3冊』などの理工学関係の古書を出張にて買取りさせていただきました。

【当店取扱商品】

書名： ブルバキ数学原論 第一期・第二期 全37冊
出版社：東京図書
発行年：昭和43年（1968）

書名：空間・時間・物質 上下2冊 ちくま学芸文庫
著者：ヘルマン・ワイル 内山龍雄訳
出版社：筑摩書房
発行年：平成19年（2007）

書名：中英日現代化学用語辞典
著者：田村三郎編
出版社：東方書店
発行年：平成15年（1993）

窮理学（物理学）・和算（数学）・天文学ほか理工学に関する和本・古典籍の買取強化中！

このほか愛書館中川書房では『和解図式算法天元指南 全9巻5冊』『窮理通 全8巻』『理学入式遠西観象図説 全3巻』『訓蒙窮理新編 全3冊』など窮理学（物理学）・和算（数学）・天文学ほか日本の理工学に関する江戸時代の和本ほか古典籍、明治時代の版本ほか近代資料の出張買取も承っております。
『算法求積通考 全5巻5冊』『天文径緯問答和解抄 全3巻3冊』『地震預防説』などお手元に気になる品がありましたらお気軽にご相談ください。

書名：土木工要録 全5冊
著者：内務省土木局編
出版社：有隣堂
発行年：明治14年（1881）

愛書館中川書房は東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県など関東を中心に全国へ出張買取にお伺いしております（内容・量・地域によっては出張や買取りができない場合があります）。
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