冨士三十六景ほか歌川広重の名所絵などの浮世絵(木版画)を出張買取
歌川広重『冨士三十六景』『東都八景』『江戸近郊八景』ほか名所絵や花鳥画などの浮世絵(木版画)を出張にて買取りさせていただきました。葛飾北斎・東洲斎写楽・渓斎英泉・喜多川歌麿といった著名な浮世絵師のシリーズものを全点揃った綺麗な状態でお譲りくださりありがとうございました。
こちらの買取事例は浮世絵師または浮世絵のジャンルごとに複数記事に分けてご紹介いたします。喜多川歌麿に関しましては「美人画『青楼十二時』ほか喜多川歌麿の浮世絵(木版画)を出張買取」、葛飾北斎に関しましては「葛飾北斎『富嶽三十六景』ほか名所絵などの浮世絵を出張にて買取り」、東洲斎写楽ほか役者絵や美人画に関しましては「東洲斎写楽全集ほか役者絵や美人画の浮世絵を出張買取いたしました」をご覧ください。
- 出張買取
- 2019年9月29日
地 域 | 東京国分寺市 |
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買取分野 |
【商品詳細】
- 書 名 : 冨士三十六景 上中下 400部限定
- 著 者 : 歌川広重
- 出版社 : アダチ版画研究所
多くの浮世絵師が富士山を画題に描いていますが、その中で代表されるのが葛飾北斎の『冨嶽三十六景』です。この作品により風景画というジャンルが確立したと考えられており、広重も大きな影響を受けたと言われています。
北斎の没後から3年後の1852年、広重がはじめて手がけたとされる富士の連作『不二三十六景』は武蔵・甲斐・相模・安房・上総など広重が実際に旅した風景が描かれています。この作品から約6年後に制作された作品が『冨士三十六景』です。
最晩年の大作とされる『冨士三十六景』は北斎の『冨嶽三十六景』を意識したとも言える作品で、近景・中景・遠景を重ねた構図となっており「東都一石ばし」(東京都千代田区)から始まり三十六景の最後は「房州保田ノ海岸」(千葉県鋸南町)で、各地から見える富士山が描かれています。なお『冨士三十六景』は1858年には版下の検閲が済んでいたものの刊行はその翌年で、広重の没後となったため結果的に最後の作品となっています。
書名:東都名所 全8枚
著者:歌川広重
出版社:アダチ版画研究所
江戸の風景は広重が得意とする題材で、版元や発行年の異なる『東都名所』シリーズが多数残されています。広重は1831年頃から風景画を多く手がけるようになり、1832年の川口屋正蔵版『東都名所』は「一幽斎描き東都名所」と称され、風景画家として大成する一つのきっかけとなった作品と言えます。また、同年の喜鶴堂版『東都名所』も名品とされており、こちらは「喜鶴堂東都名所」と呼ばれています。
書名:東都八景 全8枚
著者:歌川広重
出版社:アダチ版画研究所
ある地域において八つの優れた風景を選ぶ、風景評価の様式のこと「八景」を言います。その八景に則って選ばれた「浅草夕照」「高輪秋月」「真乳夜雨 」「佃島帰帆」「両国暮雪」「不忍落雁」「上野晩鐘 」「洲崎晴嵐」の八景が描かれています。広重は繰り返し八景物を手がけており、『隅田川八景』『金沢八景』『東都司馬八景』『東都雪見八景』など様々な八景物の作品を残しています。
書名:江戸近郊八景 全8枚
著者:歌川広重
出版社:アダチ版画研究所
『江戸近郊八景』は1838年頃の作品で、「吾嬬杜夜雨」「羽根田落雁」「行徳帰帆」「玉川秋月」「小金井橋夕照」「芝浦晴嵐」「池上晩鐘」「飛鳥山暮雪」の八景が描かれています。『東海道五十三次』に次いで広重が好んで多く描いたと言われており、大判錦絵八枚の連作で狂歌連の狂歌が添えられ、構図・色調ともに優れ芸術性の高さから広重の代表作のひとつとされています。
書名:近江八景 全8枚
著者:歌川広重
出版社:アダチ版画研究所
広重は多くの『近江八景』を手がけていますが、その中でも『保永堂版 東海道五十三次』の翌年、1834年に同じ版元・保永堂版から刊行された『近江八景』は傑作と称されています。近江国(現・滋賀県)の美しい風景を代表する8つの景勝地から「唐崎夜雨」「比良暮雪」「石山秋月」「三井晩鐘」「矢橋帰帆」「瀬田夕照」「堅田落雁」「粟津晴嵐」の八景が描かれています。
書名:魚づくし 全20枚 永寿堂版・山庄版
著者:歌川広重
出版社:悠々洞出版
名所絵だけでなく数多くの花鳥画も描いた広重が1830年頃から魚を描いたシリーズです。花鳥画は花と鳥だけに限らず、その画題は草木・虫・魚などのほか、時には小動物なども含まれます。『魚づくし』にはふぐ・あわび・ひらめ・鰹・飛魚・金目鯛・かに・伊勢海老・車海老といった30種類の魚介類と、梅・桃・桜・朝顔・百合などの植物が狂歌とともに描かれています。
書名:雪月花 全3図9枚
著者:歌川広重
出版社:アダチ版画研究所
冬の雪・秋の月・春の花に代表される自然の美しさの総称のことを「雪月花」と言い、浮世絵には雪月花を画題とした作品が多くあります。広重の三枚続の風景画『雪月花』は1857年、亡くなる前年に描かれた作品です。木曽路之山川の雪、武陽金沢八勝夜景の月、阿波鳴門之風景の波を花に見立てており、人物描写はなく自然の雄大さや美しさが表現され名作のひとつとされています。
今回買取りさせていただいた広重の代表作『東海道五拾三次』『木曽海道六十九次』は別記事にて詳しくご紹介しておりますので合わせて御覧ください。
『歌川広重『東海道五拾三次』の浮世絵(木版画)を出張買取致しました』
『歌川広重『木曽街道六十九次』の浮世絵(木版画)を出張買取致しました』
広重の名所絵ほか浮世絵・木版画は国内外問わず人気があります
江戸時代に成立した絵画「浮世絵」は当時の日常の生活や風景などを描いた風俗画のことを言います。人気歌舞伎役者や花魁なども多く描かれており、庶民も楽しめる娯楽として愛され大流行しました。役者絵や美人画のほか古典文学や和歌、風景、文明開化などが描かれた浮世絵ですが、その中でも名所絵は重要な画題のひとつと言われています。
この名所絵において頂点とも言われているのが江戸時代の浮世絵師・歌川広重です。1797年、江戸八代洲河岸の火消同心であった安藤源右衛門の子に生まれ、その家督を継ぐこととなります。15歳のときに歌川豊広に入門し、本名「安藤重右衛門」から一文字をとって「広重」の名を与えられます。なお号は広重の他に「一遊斎」「一幽斎」「一立斎」「立斎」などがあります。
役者絵から始まり美人画や花鳥図を描いていた広重ですが、葛飾北斎に影響を受け『東都名所』シリーズを皮切りに数々の風景画を制作するようになります。また狩野派・南画・円山四条派なども学び、遠近法といった西洋画風を取り入れた幅広い画風を形成しました。
1832年、火消同心の職を譲った広重は絵師に専念することとなり、翌年から『東海道五十三次』を発表し風景画家としての地位を決定的なものにします。その後『東都名所』や『木曽海道六十九次』など数多くの名所シリーズを発表し、1856年からは江戸末期の名所絵の集大成ともいえる広重晩年の大作『名所江戸百景』が制作されます。
この『名所江戸百景』をはじめ、広重の作品はゴッホやモネなど印象派の巨匠たちに大きな影響を与え、現在でも浮世絵は日本を代表するアートとして海外でも評価は高く人気を博しています。
愛書館中川書房では歌川広重『六十余州名所図会』『江都勝景』、二代目歌川広重 『諸国名所百景』、歌川豊国『名勝八景』『江戸自慢三十六景』、歌川国貞『雪景色墨田眺望』『二十四好今様美人』など名所絵・花鳥画・役者絵・美人画ほか様々な浮世絵・木版画の出張買取を承っております。
以前には月岡芳年『高縄鉄道之図』、豊原国周『扇音々大岡政談』、楊洲周延『花洛中山城名所』、歌川芳盛『東山義政公吉野遊覧之図 』ほか様々な浮世絵師の浮世絵・木版画などを出張にて買取りさせていただきました。「歌川国貞ほか役者絵・名所絵・武者絵など浮世絵や錦絵を出張買取」でもご紹介しております。
歌川広重の作品をはじめ、名所絵・花鳥画・役者絵・美人画ほか浮世絵の愛好家や蒐集家は多くいらっしゃいます。海外での人気も高く幅広い方から喜ばれます。お手元に整理・売却をお考えの浮世絵・木版画ございましたらお気軽にお問い合わせください。
【当店取扱商品】
書名:源三位頼政鵺退治 3枚続
著者:歌川国芳
版元:山本屋平吉(山久)
作品名:東京高輪之勝景 3枚続
絵師:三代目歌川広重
版元:伊勢屋兼吉
発行年:明治27年(1894)
作品名:東京築地保弖留館繁栄之図 3枚続
絵師:二代目歌川国輝(一曜斎国輝)
版元:大黒屋平吉
名所絵ほか和本・古典籍の買取強化中!
このほか愛書館中川書房では『伊勢参宮名所図会 全8冊』『東国名勝志 全5巻』『岐蘇路安見絵図』『岐蘇路安見絵図』『大江戸図説集覧』『新編鎌倉志 全8巻12冊』『紀伊国名所図会 全23冊』など浮世絵・木版画だけでなく名所絵に関する和本・古典籍の出張買取も承っております。お手元に気になる品がありましたらお気軽にご相談ください。
書名:江戸名所図会 全7巻20冊
出版社:東都書舗
発行年:天保7年(1836)
書名:東京名所 二十四図 1帖
出版社:渡辺忠久
発行年:明治34年(1901)
愛書館中川書房は東京都だけでなく神奈川県・埼玉県・千葉県など関東を中心に全国各地へ出張買取にお伺いしております(内容・量・地域によっては出張や買取りができない場合があります)。
経験豊富な店主または店長がお伺いし買取りをさせていただいておりますので、引越し・リフォーム・遺品整理・断捨離などに伴う蔵書の整理は愛書館中川書房にお任せください。
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