学術専門書『新修 平田篤胤全集』の古書を出張買取いたしました

国学者の全集や専門性の高い学術書は研究者などから需要があります

国学とは江戸時代を代表する学問のひとつであり、その対象は国語学・国文学・歌道・歴史・地理・有職故実・神学など幅広い分野にわたります。国学で有名な学者は平田篤胤のほか、契沖・荷田春満・賀茂真淵・本居宣長・塙保己一・北村季吟・上田秋成などがいます。

平田篤胤は復古神道（古神道）の大成者として知られる国学者であり、国学四大人のひとりです。寛政7年（1795）、20歳になて間もなくに地元にあたる出羽国久保田藩を脱藩して江戸へ上京します。西洋の医学・地理学・天文学といった最新の学問を学び、吉田長淑のもとで蘭学を学んだ際には解剖にも立ち会いました。
平田篤胤が28歳のとき、旗本屋敷の奥勤めをしていた妻・綾瀬が本居宣長の本を求めたことをきっかけに、篤胤は国学に目覚めます。その2年前の享和元年（1801）に本居宣長は亡くなっており、夢の中で入門を許可されたと「宣長没後の門人」を自称しました。平田篤胤は本居宣長の長男にして跡を継いだ本居春庭へ入門し、『初山踏』『玉勝間』『古事記伝』といった著作を読むことで本居派の国学を学んでいきます。「真菅乃屋」と号して門人をとり、講義の内容は門人による筆記によって『古道大意』や『出定笑語』というようにまとめられ出版されました。
そして文化8年（1811）冬に『古事記』の上巻と『日本書紀』の神代巻の内容を再構成した『古史成文』を執筆し、翌年に妻・織瀬を亡くしたことから平田篤胤は本格的な幽界研究を進め、『霊能真柱』において独自の死生観を解きました。これをきっかけに復古神道が成立します。しかし平田篤胤の学説は本居派の門人から非難され、疎遠になっていきます。
その後は下総・上総を巡遊したほか幽界やインド・中国の経典類の研究に力を入れ、暦日や易学にも傾倒しました。天保12年（1841）『天朝無窮暦』の出版をきっかけに江戸追放（国許帰還）され再び久保田藩士となったのちも門弟に国学を教え、68歳で病没しました。
本居宣長の思想は関東地方や中部地方などの在方の有力者に信奉され、のちに尊皇攘夷運動の支柱にもなりました。また、復古神道は後の神道系新宗教の勃興に繋がっています。国学だけでなく著名な思想家に関する著作を収録した全集やそれらに関する学術書など、専門性の高い書籍は研究者などから需要があります。

愛書館中川書房では平田篤胤『古今妖魅考 全7冊』『出定笑語 全4冊』『牛頭天王暦神弁』や契沖『百人一首改親抄 全6冊』といった江戸時代に刊行された和本などの古典籍や、『新編荷田春満全集 全12冊』『鈴木重胤全集 全13冊』『国学和歌改良論』『賀茂眞淵歌集の研究』『国学史上の人々 丸山季夫遺稿集』といった近現代の学術専門書など国学に関する古書の出張買取を承っております。
以前には『神道大系 全121冊』『新雑祭祝詞大成 全3冊』『高倉家調進控装束織文集成』『上田秋成の古典学と文芸に関する研究』『古事記・釈日本紀・風土記の文献学的研究』などの国文学・神道ほか国学関係の古書を出張にて買取りさせていただきました。

【当店取扱商品】
『枕草子春曙抄 全12巻6冊』北村季吟 上坂勘兵衛源兼勝発梓／『新国学の視点・諸相・展開 全3冊』国学院大学院友学術振興会編、桜楓社／『先代旧事本紀訓註』ルーツの会編 大野七三校訂編集 批評社

書名：賀茂真淵全集 既刊21冊
著者：賀茂真淵
出版社：続群書類従完成会
発行年：昭和52年（1977）

国学ほか江戸時代の思想に関する古本の買取強化中！

このほか愛書館中川書房では『朱子学大系 既刊14冊』『蘭学資料研究 全25冊』『尊王論 全』『水戸学派の尊皇と経綸』など、国学だけでなく蘭学・洋学・水戸学・朱子学・勤皇思想・尊王論・攘夷論など江戸時代の思想全般に関する古書の出張買取を承っております。
『新編 山崎闇斎全集 全5冊』『江戸時代日蘭文化交流資料集 全2冊』『海南朱子学発達の研究』などお手元に気になる品がありましたらお気軽にご相談ください。

書名：高野長英全集 全6冊
著者：高野長英全集刊行会編
出版社：第一書房
発行年：昭和53年（1978）

愛書館中川書房は東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県など関東地方を中心に全国各地へ無料出張買取にお伺いしております（内容・量・地域によっては出張や買取りができない場合があります）。詳しくは出張買取地域をご覧ください。
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