『ラカンの死』ほか精神分析・思想・哲学関係の古本買取致します

愛書館中川書房では、『ラカンの死 ～精神分析と死のレトリック～』ほか思想・哲学に関する古本を買取りしております。

書名：ラカンの死 ～精神分析と死のレトリック～
著者：S・シュナイダーマン／石田浩之訳
出版社：誠信書房
発行年：昭和60年発行（1985年）

心理学・思想関係の専門書は研究者の方々から需要があります

近年、うつ病や認知症などの精神疾患・心の病は多くの人々の関心を集め、専門家による書籍が数多く出版されています。学校や職場、家庭などあらゆる環境で生じうる心の問題ですが、学術の世界では、哲学、心理学、宗教学、精神・神経医学、教育学といった幅広い分野にわたって研究されてきた歴史があります。

古代ギリシャに始まる西洋哲学、インド・中国などの東洋哲学では絶えず人間の心が扱われ、さまざまな解釈がなされてきました。心の研究は、その人を取り巻く文化・民俗・社会構造と切り離せないため、宗教学、社会学、倫理学などの領域にも広がっていきます。やがて19世紀ドイツにおいて、哲学と分離する形で心理学という学問が誕生し、人間の意識や行動を科学的に捉えようとする研究が始まりました。

20世紀になると、オーストリアの神経科医ジークムント・フロイトによって精神分析学が確立します。人間の無意識を扱う精神分析学は、精神医学や心理学の領域に留まらず、哲学・思想、文学、芸術などの分野に多大なる影響を及ぼしました。それと同時期に、主にアメリカでは、心理学の科学的側面を重視する行動主義という学派が台頭します。行動主義では、客観的に観察可能な人間の行動のみを研究対象とするべきと考えられました。

精神分析と行動主義は心理学の二大勢力となりましたが、1960年代にはこれらの学派に反論する形で、人間性心理学（ヒューマニスティック心理学）が誕生します。人間性心理学では、人間の特定の性質のみに注目する機械的な理論ではなく、一人一人の個人に向き合うことが重要視されました。

そして、20世紀後半から現在にかけては、コンピュータ技術の進歩に伴い発達した認知心理学が主流となっています。認知心理学は、人間の観察可能な側面のみでなく、内在的な意識や脳の情報処理過程といった主観的な側面を対象とし、なおかつ情報科学・論理学・神経科学などの科学的手法によって解き明かそうとする学問です。

現在、心理学における知見はさまざまな分野に応用され、社会心理学、産業心理学、教育心理学、犯罪心理学、進化心理学など幅広い領域に広がっています。例えば、学校でのいじめ・不登校などの問題は、教育心理学の対称となります。その他にも、災害が発生した際には効果的な情報伝達やパニックの防止のため災害心理学が活用されたり、交通事故対策や渋滞の改善に交通心理学が使われるなど、社会のあらゆる場面で心理学が役立っています。また、うつ病など心の病を扱う臨床心理学の領域では、新たな心理療法・カウンセリングの開発など、今後ますますの発展が期待されています。

『ラカンの死 ～精神分析と死のレトリック～』は、フランスの精神分析家ジャック・ラカンに関する本です。フランス哲学における構造主義思想に大きな影響を与え、精神分析学の発展に寄与したラカンの業績を振り返ることができる一冊です。

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