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ミシェル・フーコーの世紀ほか、哲学・思想関係の古本買取いたします
愛書館中川書房では、『ミシェル・フーコーの世紀』ほか思想・哲学に関する古本を買取りしております。
書名:ミシェル・フーコーの世紀
著者:蓮實重彦・渡辺守章編
出版社:筑摩書房
発行年:平成5年発行(1993)
フーコーほか現代思想関係の本は研究者の方から需要があります
20世紀以降のヨーロッパ・アメリカで台頭した哲学・思想は「現代思想」と呼ばれています。現代思想は大きく分けて、ドイツとフランスを中心とする大陸哲学、イギリス・アメリカにおける分析哲学に分類されます。
大陸哲学の誕生には、18世紀末~19世紀のカント、フィヒテ、シェリング、ヘーゲルらに代表されるドイツ観念論の影響が強くありました。ドイツ観念論では、人間の内面にある観念世界に関心が向けられ、ヘーゲルは、経験から絶対的精神へと向かう意識の発展を扱う精神現象学を唱えました。次いで、フッサールが純粋意識の本質構造をとらえた現象学を提唱し、ハイデッガーの現象学的存在論、M.シェーラーの哲学的人間学などに影響を与えていきます。現象学に続いて誕生したのは、キルケゴール、ニーチェ、サルトル、ハイデッガーらに代表される実存主義です。実存主義では「人間の本来のあり方は主体的な実存にある」といった考え方に基づき、文学や芸術にも及ぶ思想運動として盛り上がりました。
この他にも、フランス・ドイツにおける重要な現代思想としては、テキストの解釈法と理論を扱ったディルタイの解釈学、ソシュールに代表される記号学や構造主義、それに次ぐポスト構造主義などがあります。
一方、イギリスやアメリカでは合理主義や実証主義の影響が強く、フランスやドイツとは異なる思想・哲学が発展していきました。分析哲学の先駆者であるバートランド・ラッセルは、大陸哲学における思考の曖昧さを批判し、数学や論理学のような合理的な言語分析によって哲学の非合理性を解消しようとしました。こうした思想は、ウィーン学団を中心とする論理実証主義に受け継がれていきます。
しかし、哲学を科学の言語で置き換え、これまでの倫理学や美学、神学の意味を否定する論理実証主義は、極端な思想として多くの批判を受けました。こうした中で、科学以外の言語や日常言語の重要性も視野に入れた日常言語派(オックスフォード学派)が誕生し、人工言語を積極的に使用する人工言語学派と分離していきました。このように言語分析を通して哲学の問題を解決しようとする学問を分析哲学といいます。代表的な思想家にはドイツ人哲学者のルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインが挙げられます。第二次世界大戦中はナチスの迫害によって多くの哲学者がアメリカに亡命したことから、分析哲学の発展を支えたドイツ人の思想家が少なくありません。
大陸哲学と分析哲学は初めは批判しあう形で対立していましたが、やがて互いに影響を請け合い新しい学問の流れが生まれていきます。フランスやドイツでは、分析哲学の研究成果を受け入れ、マルクス主義と科学との統合を試みるフランクフルト学派が興ります。イギリスやアメリカにおいても、デリダ、フーコーなどのポスト構造主義の潮流を受け、カルチュラル・スタディーズ、ポストコロニアリズムなどが誕生しました。
ミシェル・フーコーは20世紀のフランス現代思想を代表する哲学者の一人です。1960年代後半にレヴィ=ストロース、ルイ・アルチュセールらに並ぶ構造主義の思想家として台頭しましたが、現在ではポスト構造主義者として分類されています。フーコーの研究対象は多岐にわたり、哲学、精神医学、心理学、歴史学、文学などに関する多数の著書を残しました。
『ミシェル・フーコーの世紀』には、日本で初めて開催されたフーコーに関する国際シンポジウムの貴重な記録が収められています。フーコーの全貌を理解する手助けになる一冊です。
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