『古書の街』神田神保町の古本屋・愛書館中川書房の古本・古書買取サイト
プルースト 感じられる時ほか、 思想・文学関係の古本買取いたします
愛書館中川書房では、『プルースト 感じられる時』ほか哲学・思想や文学に関する古本を買取りしております。
書名:プルースト 感じられる時
著者:ジュリア・クリステヴァ/中野知律訳
出版社:筑摩書房
発行年:平成10年発行(1998年)
プルーストなど思想・文学関連の専門書は研究者の方に需要があります
20世紀ヨーロッパを代表する文学作品としては、ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』、フランツ・カフカの『変身』、マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』などが知られています。中でも『失われた時を求めて』は、従来の小説のあり方に変革をもたらした傑作として、今もなお世界中で読まれています。
また、この作品は文学の世界だけでなく、哲学や思想にも大きな影響を与えました。ジル・ドゥルーズ、ロラン・バルト、ヴァルター・ベンヤミン、バタイユなど、多くの現代思想家がプルースト論を残しています。例えばドゥルーズは著書『プルーストとシーニュ』の中で、文学を「機能」として読み解く独自の解釈を展開し、プルーストの読解を通して主著『差異と反復』の着想を得たと言われています。日本でも、鈴木道彦や葉山郁生らによるプルースト論が知られています。
このように数多くの哲学者・思想家を魅了した理由は、その画期的な作品構造にありました。プルーストは『失われた時を求めて』の中で、記憶の想起や意識の流れを綿密に描写する独自の手法を用いています。時間や記憶がこの物語の重要なテーマとなっており、主人公が過去の経験を回想するシーンが数多く描かれています。プルーストは、ある感覚が引き金となって不意に蘇る記憶を「無意志的記憶」と呼び、意識的に思い出す通常の記憶と区別しました。特定の香りを嗅ぐことで、その香りにまつわる過去の記憶が思い起こされる心理現象を「プルースト現象」と言いますが、これは物語の一節で主人公が同様の体験をすることから名付けられています。
『失われた時を求めて』は自伝的な小説でもあり、主人公の人物像や回想シーンの心理描写、美術・音楽など芸術を巡る考察、作品中で多くのページが割かれている社交界の描写などは、プルースト自身の経験が元になっています。また、作品の舞台は19世紀末から第一次世界大戦開戦までのベル・エポックと呼ばれる華やかな時代であり、当時のフランス社会の諸相も活写されています。プルーストは、医学者の父と裕福なユダヤ人家系の母との間に生まれ、若くから社交界に出入りしていました。しかし、幼少期より喘息の持病に悩まされ、ほとんど定職にはつかないまま、死の直前まで小説の執筆を続けました。
『プルースト 感じられる時』は、フランス現代思想をリードしてきた記号学者・精神分析医によるプルースト論。「時間」「記憶」「夢」「感覚」「言語」「死」などのテーマをめぐる重要な考察です。
哲学・思想・文学に関する古本の買取強化中!
愛書館中川書房では哲学・思想や文学に関する古本の出張買取を承っております。『マルセル・プルーストの作品の構造』『ヴァルター・ベンヤミン著作集 全15冊揃い』『生田耕作コレクション 全5巻揃い』『ジョルジュ・バタイユ著作集 全15冊揃』『解明M.セールの世界 : B.ラトゥールとの対話 <叢書・ウニベルシタス 536>』など、お手元に気になる本がありましたらお気軽にご相談ください。
【古本出張買取専用フリーダイヤル 0120-489-544】
※電話・メール相談の前に必ずこちらからご利用方法をご確認ください。
※一部商品において、お引取り等が出来ない商品もございますことをご了承ください。