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アール・ヌーヴォーの絵はがきほか、芸術関係の古書買取いたします。

愛書館中川書房では、『アール・ヌーヴォーの絵はがき』ほか芸術関係の古書を買取りしております。

書名：アール・ヌーヴォーの絵はがき
著者：ジョバンニ・ファネッリ、エツィオ・ゴードリ
出版社：同朋舎出版
発行年：平成5年(1993年)発行

アール・ヌーヴォーとは19世紀（1890年代～1910年代）にヨーロッパ各地で起こった芸術運動であり、フランス語で「新しい芸術」という意味です。当時のフランスは文化や科学技術が目覚ましい発展を迎え、一般市民の生活にまで浸透した「ベル・エポック」(＝良き時代)と呼ばれる時代でした。既存の芸術のあり方を捉え直し、アカデミックな芸術様式にとどまらず建築・工芸などの領域におよぶ総合的な芸術様式として発展したアール・ヌーヴォーの影響は世界的に広がっていきます。

アール・ヌーヴォーの作品は美術愛好家から人気があります

アール・ヌーヴォーの特徴としては、美麗な色彩と流れるような有機的曲線の多用、花や植物などの自然物がモチーフとして取り入れられているなど、装飾性豊かな表現が挙げられます。こうした表現手法のルーツは、実は日本美術にあると言われています。当時のヨーロッパでは、1867年のパリ万国博覧会での日本館出展を契機に日本の浮世絵や日本美術に関心が寄せられ、ジャポニスム（日本趣味）の流行が顕著でした。アール・ヌーヴォーの代表的作家で、東洋美術に強く影響を受け、主にガラス工芸の分野で活躍した芸術家にエミール・ガレがいます。彼の動物や植物を自然のままに描く独自の芸術表現には、ジャポニスムの影響が色濃く表れています。エミール・ガレの作品は、箱根のポーラ美術館などに収蔵されています。
絵画・グラフィックデザインにおいては、装飾品を身に着けた美しい女性を多く描き、《ジスモンダ》など数々の舞台ポスターを手がけたことで有名なアルフォンス・ミュシャ、オスカー・ワイルド原作の「サロメ」の挿絵など、白黒を基調とした幻想的かつ繊細な絵画で知られるイギリスの画家オーブリー・ビアズリーらが活躍しました。特にミュシャの作風は明治時代の日本の画家・藤島武二によって模倣され、その影響は与謝野晶子の歌集『みだれ髪』、雑誌『明星』の表紙に見られます。ミュシャの作品は日本では堺市立文化館アルフォンス・ミュシャ館に多く収蔵されています。その他にも、橋口五葉による夏目漱石の小説『猫』の装幀、杉浦非水が描いたポスターなど、ジャポニスムの流行から始まったアール・ヌーヴォーが逆輸入される形で日本でも広がっていきました。
建築の分野では、世界初のアール・ヌーヴォー建築であるタッセル邸を手がけたベルギーの建築家ヴィクトール・オルタ、同じくベルギーでアール・ヌーヴォーの建築・家具などのデザインを手がけ、後にモダニズムへの展開を促進した建築家アンリ・ヴァン・デ・ヴェルデなどが有名です。フランスの北部ナンシーやベルギーのブリュッセルでは当時のアール・ヌーヴォー建築が今でも残り、現代の生活空間に溶け込んでいます。日本では、北九州市にある旧松本健次郎邸が意匠・家具ともにアール・ヌーヴォー様式でデザインされています。
1900年に開催されたパリ万国博覧会で全盛期を迎えたアール・ヌーヴォーですが、第一次世界大戦がはじまり、低コストで大量生産が可能なモダンデザインが推進されるようになると、アール・デコへの移行が起き、急速に衰退していきます。しかしその後、1950年代に行われた一連の展覧会、つづいてアメリカで起きたアール･ヌーヴォーのリバイバルにより再評価されることになりました。

『アール・ヌーヴォーの絵はがき』には、500人に及ぶ代表作家たちが描いた708点のカラー図版が掲載されています。絵はがきに描かれたモチーフは女性、子供、芝居、都市、スポーツ、風景など多岐に渡り、アール・ヌーヴォーの魅力を堪能することができます。また、本著には450人の作家辞典も収録されています。

アール・ヌーヴォーほか、芸術に関する古本の買取強化中！

愛書館中川書房では『DER MODERNE STIL, THE MODERN STYLE/アール・ヌーヴォー研究』『ウィーン工房の装飾文様（ウィーンのアール・ヌーヴォーアール・デコ）』『エミール・ガレのガラス』『アルフォンス・ミュシャ装飾資料集/装飾人物集』『アーサー王物語全5冊』（オーブリー・ビアズリー装丁）ほか、アール・ヌーヴォーなど芸術関係の古本の出張買取を承っております。お手元に気になる本がありましたらお気軽にご相談ください。
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