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月岡芳年画集ほか、美術・浮世絵関係の古本買取いたします。

愛書館中川書房では、『月岡芳年画集』ほか美術や浮世絵・錦絵に関する古本を買取りしております。

書名：月岡芳年画集
著者：瀬木慎一編
出版社：講談社
発行年：昭和53年（1978）

月岡芳年は幕末から明治時代にかけて活躍した、「最後の浮世絵師」と謳われる人物です。天保10年（1839）に江戸の商家の二男、吉岡米次郎として生まれ、後に京都の画家の家である月岡家の養子となります。
嘉永3年（1850）には役者絵・武者絵・美人画・名所絵・春画・戯画など様々な分野の浮世絵を手掛け、『相馬の古内裏』など大画面に骸骨や化け物などが登場する作品で有名な浮世絵師、歌川国芳（1798-1861）に入門します。月岡芳年は歌川国芳のもとで武者絵や役者絵などを手掛け、15歳のときに『文治元年平家一門海中落入図』と『画本実語教童子教余師』（挿絵）を描きました。その後は歌舞伎の残酷な場面を集めた『英名二十八衆句』を兄弟子の落合芳幾と競作したほか、彰義隊と官軍の戦いを取材して描いた『魁題百撰相』を発表します。明治3年（1870）頃から神経衰弱に陥りますが明治6年（1873）に立ち直り、『大日本名将鑑』『桜田門外於井伊大老襲撃』『奥州安達が原ひとつ家の図』『新形三十六怪撰』『郵便報知新聞錦絵』『新撰東錦絵』『風俗三十二相』『月百姿』などの作品を精力的に発表していきます。しかし明治24年（1891）には再び精神を病み、脚気を患うなどの不運が続き、翌25年（1892）に脳充血で亡くなりました。

「最後の浮世絵師」月岡芳年の浮世絵・錦絵は美術愛好家の方から人気です

月岡芳年といえば無惨絵・残酷絵の描き手として「血まみれ芳年」の名で有名ですが、実際には師である歌川国芳と同じように歴史絵・武者絵・合戦絵・美人画・古典画・風俗画・幽霊画など多種多様な錦絵や肉筆浮世絵の作品を手掛けています。画号は一魁斎芳年・魁斎・玉桜楼・咀華亭・子英・大蘇芳年があり、『英名二十八衆句』『奥州安達がはらひとつ家の図』『大日本名将鑑』『月百姿』『新形三十六怪撰』などが代表作です。「月岡」という名前のこともあり「月」に対しては思い入れが強く、なかでも月をテーマとした全100点揃物の大判錦絵『月百姿』は明治18年（1885）から明治25年（1892）という約8年をかけて完成させた大作です。その内容は武者絵・歴史画・名所絵・動物画・美人画・役者絵と多岐に渡り、「大物海上月弁慶」「孝子の月小野篁」「源氏夕顔巻」「卒塔婆の月」「玉兎孫悟空」「銀河月」「廓の月」「五條橋の月」「四條納涼」「神事残月」など、実在・架空を問わず日本や中国の様々な人物・物語・伝説、また江戸や京都の行事・風景などが取り上げられています。月岡芳年の死の直後には全100点に目録と序文を加えた画帖が発売されました。
なお、近代化などの影響で浮世絵が需要を失いつつある明治時代において月岡芳年が成功した背景には、歌川国芳ほか歌川派、養父であり狩野派の画系を引いた月岡雪斎、日本画界の一大派閥である四条派、さらには洋画など様々な画派を学び、自身の作品に取り入れたためとも考えられています。これからは洋画の時代だと見越し、弟子たちを洋画家に弟子入りさせたという話も残っています。芳年には200人あまりの弟子がおり、そのなかでも山中古洞・水野年方・稲野年恒・右田年英・山崎年信・山田年忠・金木年景・新井芳宗（2代目）などが明治・大正時代に浮世絵や日本画で活躍した画家として有名です。
また、芳年の作品は谷崎潤一郎・江戸川乱歩・芥川龍之介・三島由紀夫といった作家にも影響を与えました。なかでも江戸川乱歩と三島由紀夫は『英名二十八衆句』などの無惨絵を愛し、「月岡芳年といえば無惨絵」という印象を広めたともされています。

講談社から刊行された『月岡芳年画集』には、残酷絵や『英名二十八衆句』はもちろんのこと、武者絵・役者絵・妖怪絵・幽霊絵・双六・挿絵・絵馬・下絵・肉筆画など、約200点の作品が掲載されています。その充実した内容から、月岡芳年の画集のなかでも人気の1冊となっています。

月岡芳年の浮世絵・錦絵に関する古本の買取強化中！

愛書館中川書房では月岡芳年に関する紙ものや古本の出張買取を承っております。『霜夜鐘十時辻筮全5編15冊』『月百姿』『風俗三十二相』『魁題百撰相』といった和本や浮世絵・錦絵、『血の晩餐大蘇芳年の芸術』（限定1200部）『月岡芳年の世界』『月岡芳年新形三十六怪撰全37枚』（限定360部）などの画集・作品集ほか、師匠である歌川国芳など江戸時代から明治時代初期にかけて活躍した浮世絵師の浮世絵・錦絵や関連書籍も出張にて買取りいたしております。お手元に気になる古本や紙ものがありましたらお気軽にご相談ください。
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