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タルコフスキー映画 永遠への郷愁ほか映画関係の古本買取いたします
愛書館中川書房では、『タルコフスキー映画 ~永遠への郷愁~』ほか映画に関する古本を買取りしております。
書名:タルコフスキー映画 ~永遠への郷愁~
著者:馬場広信
出版社:みすず書房
発行年:平成14年発行(2002年)
タルコフスキー作品は映画ファンに根強い人気があります
アンドレイ・タルコフスキーは、ロシアの映画監督です。1932年にモスクワに生まれ、戦後ソ連時代に活躍しました。製作した長篇作品はわずか7本しか残されていませんが、その作品群は発表当初から国際的な評価を受けつづけ、現在でも根強いファンがいます。
十代の頃は作曲家や画家を志しますが挫折し、東洋学単科大学のアラビア語科を中退。その後、映画の道に進むことを決意し、1954年、22歳のころに全ソ国立映画大学に入学します。同大学では、ロシアを代表する映画監督であるアンドレイ・コンチャロフスキーと親交を深めました。
在学中は、『十月のレーニン』などの作品があるミハイル・ロンム監督のもとで学び、同級生であったアレクサンドル・ゴルドンと共に『殺し屋』を製作しました。ヘミングウェイ原作のこの作品がタルコフスキー最初の映画となりました。28歳の時、アルベール・ラモリスの短編映画「赤い風船」に触発され、卒業制作として『ローラーとバイオリン』を製作します。つづいて、長篇としては第一作目となる『僕の村は戦場だった』は、独特な映像美が話題を呼び、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞します。
1967年には、アンドレイ・コンチャロフスキーと共同でシナリオを執筆した作品『アンドレイ・ルブリョフ』を発表しました。ロシア史上最高の聖像画(イコン)画家アンドレイ・ルブリョフが生きた15世紀のロシア社会を描いたこの作品は、歴史解釈をめぐって激しい批判を浴び、5年の間上映が禁止されます。その後も製作にあたってはロシア当局との対立を繰り返しつつ、1972年にはSF映画の概念を覆した大作『惑星ソラリス』が完成します(原作はスタニスワフ・レムの小説)。この作品はカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞しました。
つづいて、2作目のSF作品となる『ストーカー』など、映画史に残る名作を生み出し続けます。1982年には、『ノスタルジア』の撮影でローマに移ると同時に、表現の自由を求めてソ連を亡命します。そのまま故郷には還ることなく、54歳の若さで肺がんで亡くなります。遺作となったのは、史上初のカンヌ四冠を達成した映画『サクリファイス』でした。
タルコフスキーは「映像の詩人」と呼ばれるほど、優れた映像芸術が高く評価されました。一連の作品には「水」や「火」などのモチーフが共通して用いられ、自然の神秘性や叙情性が巧みに表現されています。スターリン体制が終わった後のソ連は西側文化が急速に流れ込んできた時代であり、タルコフスキーの作品にも若いころに刺激を受けたアメリカ文化の要素が感じられます。ヨーロッパのカトリック的な宗教観にも影響を受けており、『ノスタルジア』など後期の作品では「世界の救済」がテーマとなりました。また、若い頃から黒澤明などの日本映画に傾倒するなど、日本のとの関わりも深いです。『惑星ソラリス』では東京首都高速道路の赤坂付近を車で走行するシーンが印象的です。
『タルコフスキー映画 ~永遠への郷愁~』は、年来の映画研究にもとづく精緻な映画論。タルコフスキーの全作品について、テーマ展開や表現技法を分析した評論が収録されています。著者はアンドレイ・タルコフスキー出版会代表の馬場広信氏です。
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2010年4月6日
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