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東京都世田谷区にて展覧会「宮本三郎 親密な空間」開催中

4月3日(火)より宮本三郎記念美術館(東京都世田谷区)にて、平成30年度第Ⅰ期収蔵品展「親密な空間」が開催されています。

宮本三郎 親密な空間

会場:宮本三郎記念美術館(世田谷美術館分館 東京都世田谷区奥沢5-38-13)
会期:4月3日(火)~8月日26(日)
休館日:毎週月曜日 ただし7月16日(月・祝)は開館、5月1日(火)・7月17日(火)は休館
開館時間:10:00~18:00(最終入館17:30まで)
入館料:一般200円 高校・大学生150円 65歳以上・小学生・中学生100円 小中学生は土日・祝休日・夏休み期間は無料

 

昭和を代表する洋画家・宮本三郎は1905年、石川県に生まれます。藤島武二や安井曾太郎に師事、宮本三郎のその類まれなデッサン力は「デッサンの神」と呼ばれていた安井曾太郎も一目を置くほどだったと言われています。そのデッサン力を買われ従軍画家となり、太平洋戦争中には『セレベスの落下傘部隊の激戦図』『山下・パーシバル両司令官会見図』などの戦争画を制作、帝国芸術院賞を受賞するなどして宮本三郎の名前を世に知らしめることとなりました。

戦争画と並行して雑誌や新聞連載小説の挿絵も数多く手がけています。雑誌『主婦之友』『婦人公論』の表紙絵ではその卓越した人物描写の技術によって華やかな女優や聡明で健康的な女性を描き、読者から高い評価を得ました。獅子文六や三島由紀夫などの連載小説での挿絵の情景描写もまた人気を集め、様々な分野で活躍していきます。
時代とともにその画風を変えながらも人物を主たるテーマとし、風景画や動物画などの作品も多くありますが、晩年には舞妓や裸婦の連作で注目されます。華やかな色彩、的確な写実力により豪華絢爛な絵画世界を構築していきます。宮本三郎の代表作として『婦女三容』『裸婦連作』『薪を運ぶ人』『レ・トロワ・グラース』『二人』などが挙げられます。

また、熊谷守一や黒田重太郎らとともに二紀会を結成しのちに理事長に就任、多摩美術大学や金沢美術工芸専門学校(現・金沢美術工芸大学)で教鞭をとるなど後進の育成にも尽力しました。1974年に亡くなるまで生涯現役として画家人生を貫いた宮本三郎の作品は、今もなお多くの人から愛され続けています。

静物画なども織り交ぜて、親密な空気の漂う作品群が展示されています

世田谷区は1998年に宮本三郎の10,000冊を超える旧蔵書などの資料、油彩・水彩・素描合わせて4,000点近くの膨大な作品、居住していた土地の寄贈を受けました。宮本三郎が亡くなるまで制作の拠点としたそのアトリエ跡に宮本三郎記念美術館は2004年開館しました。収蔵品による展覧会だけでなく講演会やワークショップも行われています。

今回宮本三郎記念美術館で開催される展覧会「親密な空間」では、なにげない室内風景や穏やかな日常生活の一場面を切り取ったような「親密」な雰囲気の漂う作品群、さらには静物画や素描などが展示されています。

〈展示作品〉
1945~48年頃「編み物」「ピアノ」
1947~48年頃「寝たる裸婦」
1961年頃「静物/壷 花 コップ」
制作年不詳「横臥 婦人像」  ほか

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