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絵本庭訓往来全葛飾北斎画和本・浮世絵関係の古本買取いたします

愛書館中川書房では『絵本庭訓往来全』葛飾北斎画ほか、和本・浮世絵関係の古本を買取りしております。

書名：絵本庭訓往来全
著者：葛飾北斎画

江戸時代後期の浮世絵師である葛飾北斎は宝暦10年（1760）に現在の東京都墨田区で生まれ、幕府御用達鏡師への養子入り、貸本屋への丁稚奉公、木版彫刻師の従弟などを経て絵画へと興味を持ちます。安永7年（1778年）に江戸時代中期を代表する浮世絵師である勝川春章の門下になったのちは、江戸幕府の御用絵師であった狩野派、唐絵（中国の絵画）、西洋画といったあらゆる絵画の画法を学びました。そして浮世絵における風景画である名所絵、歌舞伎役者や舞台・道具観客などを描く役者絵を数多く手がけたほか、黄表紙といわれる草双紙（絵本）の挿絵などを描きました。寛政6年（1794年）に勝川派を破門されたのちは装飾画などを手掛ける琳派の宗理派（俵屋一門）で学び、摺物や狂歌絵本で人気の絵師になります。しかし宗理を襲名してから3年後には独立し、以後は森羅万象を自身の師として作品を作り上げていきます。

葛飾北斎の作品は国内外を問わず日本美術愛好家の方から根強い人気です

葛飾北斎は嘉永2年（1849）に90歳で亡くなるまでに数多くの作品を生み出しました。有名な作品には狂歌絵本『画本東都遊』、画学生のための絵の教本や職人の意匠手引書となった画集『北斎漫画』、富士山を主題とした風景画『富嶽三十六景』、百物語を画題として妖怪を描いた化物絵『百物語』、晩年の傑作『肉筆画帖』などがあります。そのほか『千絵の海』『諸国名橋奇覧』『諸国滝廻り』『百人一首乳母が絵説などの錦絵、『八方睨み鳳凰図』『漢武人一人立図』『獅子図屏風』『鎮西八郎為朝図』などの肉筆浮世絵、『東都名所一覧』『隅田川両岸一覧』『富嶽百景』などの版本があり、挿絵を含めると生涯に3万点を超える作品を発表したと言われています。
なお、葛飾北斎は生涯に何度も改号したことで有名な浮世絵師であり、現在一般的に知られている「北斎」のほか「春朗」「宗理」「戴斗」「為一」「卍」「画狂老人」などがあります。「葛飾北斎」を用いたのは文化2年（1805年）からであり、『椿説弓張月』『南総里見八犬伝』などで有名な江戸時代後期の読本作者・曲亭馬琴（滝沢馬琴）と合作していた時期にあたります。この時期に発表した『近世怪談霜夜之星』『新編水滸画伝』『椿説弓張月』といった作品は葛飾北斎と曲亭馬琴の名を高めたほか、葛飾北斎が黄表紙や洒落本・読本など数多くの戯作の挿絵を手がけたことで、それまで読み物のおまけ程度としてしか扱われてこなかった挿絵の評価が格段に引き上げられたとも考えられています。
葛飾北斎の作品は歌川広重・歌川国芳・歌川国直・渓斎英泉といった日本国内の浮世絵師だけでなく、フィンセント・ファン・ゴッホやアンリ・リヴィエール、クロード・モネ、エドゥアール・マネほか印象派を中心に西洋美術にも影響を与えています。また、フランスの作曲家クロード・アシル・ドビュッシーは『冨嶽三十六景』の「神奈川沖浪裏」に影響を受けて代表曲の一つである交響曲「海」を作曲しました。葛飾北斎は浮世絵師の中でも世界的評価が高く、世界の文化巨匠として顕彰されています。

『絵本庭訓往来』は往来物（往復書簡などの手紙類の形式をとって作成された初等教育用の教科書）である『庭訓往来』の絵入り本です。『庭訓往来』は寺子屋において習字や読本のために用いられた教科書のひとつであり、衣食住・職業・職分・領国経営・司法・建築・仏教・武具・教養・療養といった多岐にわたる一般常識が記されています。『庭訓往来』が成立したのは南北朝時代末期から室町時代前期ですが、普遍的な内容が多いことから、江戸時代においても盛んに用いられました。数多くの写本・注釈本・絵入り本が存在し、葛飾北斎の『絵本庭訓往来』もそのひとつであり、そのほか『永楽新童訓往来』『絵本女今川』『画本古文孝経』などの往来物や教訓に関する版本の挿絵も手掛けています。

『絵本庭訓往来全』本文・挿絵

葛飾北斎に関する和本・浮世絵など古典籍の古本の買取強化中！

愛書館中川書房では『北斎漫画』『皿皿郷談』『絵本漢楚軍談』『古今奇譚蜑捨草』『三七全伝南柯夢』『絵本浄瑠璃絶句』『富嶽三十六景』など葛飾北斎に関する和本・浮世絵・錦絵のほか、蹄斎北馬『自来也説話』『星月夜顯晦録』『敵討猫魔屋敷』、魚屋北渓『北里十二時』、葛飾北岱『木之花双紙』など葛飾北斎の門人に関する和本・浮世絵・錦絵といった古典籍の古本の出張買取を承っております。お手元に気になる本がありましたらお気軽にご相談ください。
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