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棟方志功ほか、版画・民芸・日本美術関係の古書買取いたします。
愛書館中川書房では『棟方志功 生誕百年記念展』ほか、版画・民芸・日本美術関係の古書を買取りしております。
書名:棟方志功 生誕百年記念展 ~わだばゴッホになる~
著者:棟方令明監修
出版社:NHK仙台放送局
発行年:平成15年(2003年)発行
板画家「世界のムナカタ」として日本だけでなく世界的にも評価の高い20世紀の美術を代表する世界的巨匠の一人、棟方志功。1903年、15人兄弟のうちの三男として青森県に生まれます。18歳の時に文芸誌『白樺』の口絵に色刷りで載っていたゴッホの『ひまわり』と出会い、その生命力と存在感に圧倒された棟方志功は衝撃を受け「わだばゴッホになる」と芸術家を目指すことになります。
その後上京し、帝展(日本美術展覧会)や白日会展などに出品するも落選する日々が続きますが5年目にして油絵『雑園』で入選し、画家・棟方志功が誕生します。油絵画家を目指していた棟方志功ですが、版画家・川上澄生の代表作『初夏の風』が表現する版画と詩の世界に感銘を受け版画家への転向を決意します。のちに国画会に『大和し美し』を出品し、日本民藝館に買い上げられたことをきっかけに民芸運動の主導者である柳宗悦・河井寛次郎・浜田庄司らに認められ、交流が始まったとされています。その中で日本やアジアの伝統や仏教などの教養を深め、これらを題材として独自の様式を発展させながら作品を生み出していきます。
その後は「美術のオリンピック」とも称される世界的にも大きな国際美術展覧会のサンパウロ・ビエンナーレやヴェネツィア・ビエンナーレの版画部門にて国際版画大賞を受賞し、「世界のムナカタ」として世界中にその名が知れ渡ることとなります。
棟方志功は20世紀美術の巨匠の一人として世界中で人気の画家です
棟方志功は「版画」ではなく「板画」という字を使用していたことでも知られていますが、板の性質を大事に扱い、板の命を大切にするという想いから「板」という字を使用したとされています。また、日本古来の彩色版画は浮世絵のように多色刷ですが、棟方志功は白黒版画を鮮やかにするために彩色を施しました。初めは通常の技法で表に色付けをしていましたが、それを見た柳宗悦が「裏彩色」を教えたとされています。裏彩色とは、刷られた和紙の裏から色をつける技法のことで紙の裏から彩色するとことで色をぼかし柔らかな色彩を表現する効果があり、棟方志功の作品には裏彩色によるものがたくさんあります。
また板画だけでなく「倭画」と呼ばれる肉筆画で板画と同様に世界で高い評価を得ています。日本画の伝統的スタイルである筆・顔料で描いた絵のことを倭画と言い、美人画などの作品を亡くなるまでの間に数多く残しています。棟方志功の独自の世界観、大胆で独創的な作風で故郷青森の民俗や日本の神話、文学や仏教などを題材とした作品は多くの人々を魅了し、今もなお愛され続けています。
『棟方志功 生誕百年記念展 ~わだばゴッホになる~』は棟方志功の生誕100年目にあたる平成15年(2003年)に開催された展覧会の図録(カタログ)です。この展覧会では晩年までの代表作である板画から倭絵・油絵・書のほかに、それまで公開されていなかった『釈迦十大弟子』の画稿・板木などの貴重な資料も出品されました。図録には図版、展覧会の出品リストなどが掲載されています。
棟方志功の代表的な作品として『御鷹揚げの妃々達々』『東海道棟方板画』『大顔の柵』『白頭巾の柵』のほか、『二菩薩釈迦十大弟子』『阿弥陀如来像』『蓮如上人の柵』『御二河白道之柵』など仏を題材にした作品も多く挙げられます。著書として『ワだばゴッホになる』『板極道』『板画・奥の細道』ほか、また『富士山 草野心平詩集』『烏賊と北の子供 平野直』『熊平武二詩集』など装丁・挿画を手がけた作品も多数あります。
棟方志功ほか、版画や民芸に関する古書の買取強化中!
愛書館中川書房では『棟方志功板画集』『棟方志功板画全柵』『棟方志功芸業大韻』『犯罪幻想 江戸川乱歩 棟方志功画 限定版』『おぢいさんのランプ 新美南吉 棟方志功画』『歌々板畫巻 谷崎潤一郎歌 棟方志功板』といった棟方志功に関する古書のほか、『柳宗悦蒐集 民藝大鑑 全5冊』『柳宗悦全集 全22巻25冊』『自選 濱田庄司陶器集』など民芸に関する古書の出張買取りを承っております。処分・売却をお考えの日本美術に関する古書がございましたらお気軽にご相談ください。
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カテゴリ:取扱書籍 > 美術・建築・写真など
2009年12月16日
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