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東京都文京区にて展覧会「昭和×東京下町セレナーデ 滝田ゆう展」が開催されています。
1月3日(水)より弥生美術館(東京都文京区)にて特別展「昭和×東京下町セレナーデ 滝田ゆう展」が開催されています。
昭和×東京下町セレナーデ 滝田ゆう展
会場:弥生美術館(東京都文京区弥生2-4-3)
会期:1月3日(水)~3月25日(日)
休館日:月曜日 ※ただし祝日開館、翌火曜日休館
開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30まで)
入館料:一般900円 高校・大学生800円 小・中学生400円
日本の漫画家・エッセイストである滝田ゆう(本名:滝田祐作)は昭和6年(1931)に東京市下谷区坂本町(現:東京都台東区下谷)で生まれました。國學院大学文学部を中退したのち、昭和初期の子供漫画を代表する漫画家・田河水泡の内弟子となり、昭和27年(1952)には手塚治虫の作品も掲載していた雑誌『漫画少年』でデビューします。昭和31年(1956)には漫画家として本格的に活動を始め、少女漫画『なみだの花言葉』や家庭漫画『カックン親父』、『ダンマリ貫太』などを発表し、ヒット作も生まれました。その後はつげ義春や林静一も掲載している『月刊漫画ガロ』において『しずく』『ラララの恋人』などを発表し、人気漫画家の道を歩んでいきます。滝田ゆう作品の最大の特徴である、本来登場人物の台詞を書き込む「ふきだし」に人物の心境や状況を表す挿絵(出刃包丁、三味線、南京錠など)が描かれるようになったのもこの頃からです。
昭和43年(1968)、滝田ゆうはのちに自身の代表作となる『寺島町奇譚』の連載を始めます。これは太平洋戦争当時の玉の井(旧:東京市向島区寺島町にあった私娼街)を舞台にした、自身の少年時代を題材とした半自伝的作品です。シンプル寄りだった画風は『寺島町奇譚』以降、陰影を強調して画面全体に細々と描きこむ画風へと変化しました。また少し難解な作風ということもあり子どもではなく青年など大人に支持され、文学性についても非常に高く評価されました。そのため漫画のほか画集やエッセイなどの発表も行っていき、昭和45年(1970)以降は漫画誌から文芸誌へと活動の場を移していきます。
滝田ゆうの昭和の情緒あふれる漫画・イラスト・エッセイなどの作品はマスコミでも取り上げられ、多くの人たちに親しまれました。しかし昭和57年(1982)に脳血栓で倒れ、左半身の麻痺から漫画を執筆することが困難になりまます。そのような状況でもエッセイやイラスト、文画集の発表は続けていき、入院中に手掛けた画集『ぼくの東京ラプソディ』は平成2年(1990)の死去の翌年、遺稿集として刊行されました。 代表作には『寺島町奇譚』『滝田ゆう落語劇場』『ぼくの昭和ラプソディ』『昭和夢草紙』『怨歌劇場』『泥鰌庵閑話』『怨歌橋百景』などがあります。
戦禍で失われた裏通りの日常や町の面影が鮮やかに浮かび上がります
今回弥生美術館で開催される展覧会「昭和×東京下町セレナーデ 滝田ゆう展」では代表作『寺島町奇譚』や『泥鰌庵閑話』などの原画のほか、戦前・戦中の東京下町の風俗が綿密に描きこまれたカラーイラストや関連資料などが展示されます。
〈展示作品〉
「寺島町奇譚 第3話 げんまいパンのホヤホヤ」原画
「ぬけられます」『月刊漫画ガロ』1969年4月増刊号裏表紙原画
「おぼろ夜桜、朧月」原画
「少年キヨシの頃」原画 ほか
なお、「昭和×東京下町セレナーデ 滝田ゆう展」に併せて画集『滝田ゆう 昭和×東京下町セレナーデ』が平凡社から出版されました。
また、絶版・品切れ本のリクエストサイトである「復刊ドットコム」からは、昭和55年(1980)に青林堂から刊行された青林傑作シリーズ『寺島町奇譚』改訂版を底本に、7本の作品(どぜうの命日 、ぎんながし、おはぐろどぶ、げんまいパンのホヤホヤ、日和下駄、エジソンバンド、花あらしの頃)を収録した『寺島町奇譚 傑作選』が刊行されています。
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カテゴリ:即売会・展覧会情報
2018年1月9日
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