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藤牧義夫ほか創作版画(木版画)の作品・古書を出張買取いたします
愛書館中川書房では『新版画 No.17 藤牧義夫特集号』ほか創作版画(木版画)の作品や画集・作品集・版画雑誌・研究書といった関連書籍の古書を買取りしております。
書名:新版画 No.17 藤牧義夫特集号
著者:藤牧義夫・小野忠重ほか画
出版社:新版画集団
発行年:昭和10年(1935)
備考:藤牧義夫表紙
『新版画 No.17 藤牧義夫特集号』と一緒に買取りさせていただいた創作版画関係の作品・古書については「『新版画 藤牧義夫特集号』ほか創作版画(木版画)の古書を出張買取」にてご紹介しております。
藤牧義夫ほか明治時代末期から昭和時代初期にかけての創作版画の作品・古書は愛好家から人気があります
藤牧義夫は明治44年(1911)生まれの版画家です。24歳のときに失踪したため「幻の版画家」として知られています。
群馬県館林市で生まれた藤牧義夫は小学校(尋常科)の頃から美術が得意でした。両親や兄の死がきっかけとなり昭和2年(1927)に上京し、日本橋に住む染織図案家の佐々木倉太に弟子入りをします。佐々木倉太は白馬会(黒田清輝を中心とした洋画団体)などに作品を出品する東京でも名のしれた画工であり、藤牧義夫は佐々木倉太のもとで模写本を筆写するなどして商業図案を学びました。
昭和3年(1928)には銀座の植松図案工房、昭和5年(1930)には植松盛之助が経営する玄黄社(商業図案社)で働いていており、木版画を制作するようになったのは植松図案工房で勤務していた頃からと伝わっています。版画は全て独学で、商業図案のほか現代芸術の先駆とされたドイツ表現主義にも影響を受けながら独自の様式を確立していきました。
昭和7年(1932)に小野忠重・武藤六郎・清水正博・松下義雄・柴秀夫・水船六洲・宇治山哲平といった版画仲間22名と「新版画集団」を創立させ、以後は新版画集団の機関雑誌(同人版画誌)『新版画』や展覧会に作品を発表していきます。藤牧義夫の作品は主に1930年代の東京の下町や隅田川を題材としており、全長60mの大作「隅田川絵巻」のほか「ガード下のスパーク」「夜景」「請地の夜」「自画像」といった作品を制作しています。昭和8年(1933)に開催された第14回帝展では「給油所」が初入選しました。
しかし昭和9年(1934)に病気療養のため故郷の館林へ戻り、昭和10年(1935)9月に小野忠重のもとを訪れて作品を預けた後に失踪してしまいます。
藤牧義夫が版画家として本格的に活動した期間は4年程度であり、それゆえに謎めいた「幻の版画家」として一度は埋もれてしまいましたが、昭和53年(1978)に遺作展が開催されたことで再び注目を浴び、平成23年(2011)には生誕100年を記念する展覧会が開催されました。なお、藤牧義夫の作品は東京国立近代美術館のほか群馬県立近代美術館や神奈川県立近代美術館に収蔵されています。
創作版画(木版画)に関する作品・古書の買取強化中!
愛書館中川書房では明治30年代後半から昭和10年代前半に制作された創作版画の作品や、当時活躍していた創作版画家の画集・作品集・版画雑誌・研究書といった関連書籍の古書の出張買取を承っております。
【買取事例】
「谷中安規の創作版画『方寸版画集 幻想集 創刊号』を出張買取いたしました」
「川瀬巴水・土屋光逸『日本名所図会』など木版画を出張買取いたします」
書名:方寸版画集 幻想集 創刊号
著者:谷中安規
出版社:創作版画倶楽部
発行年:昭和8年(1933)
備考:限定500部
書名:巴水 光逸 日本名所図会 伝統芸術・純手摺木版画 全28枚
出版社:大江戸木版社 浜松堂
『木版画小品集 黒と白』『創作版画集 HANGA』『徳力富吉郎創作版画 京洛三十題』『創作版画と版画の作り方』『大正期美術展覧会の研究』など、お手元に気になる本がありましたらお気軽にご相談ください。
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カテゴリ:取扱書籍 > 美術・建築・写真など
2022年12月24日
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