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記号学の冒険 ほか、思想・哲学関係の古本買取いたします。

愛書館中川書房では、『記号学の冒険』ほか思想・哲学に関する古本を買取りしております。

記号学の冒険

書名:記号学の冒険
著者:ロラン・バルト/花輪光訳
出版社:みすず書房
発行年:平成3年発行(1991年)
備考:重版 カバー多少のヤケが有ります。

ロラン・バルトは文学・哲学等に関心を持つ多くの人々に読まれています

ロラン・バルトはフランスの批評家・思想家です。1915年、フランスのシェルブール生まれ。コレージュ・ド・フランスなどで研究活動および教育に携わり、1980年に交通事故で亡くなるまで、現代思想に多大なる影響を与え続けました。文学、演劇、芸術などさまざまな分野を縦断する批評を展開し、数多くの著書を残しています。

バルトはスイスの言語学者・ソシュールや哲学者・サルトルなどから影響を受け、主に記号学、構造主義を基礎として、言語・ジェスチャー・音楽といった「記号」による意味作用や、批評と作品との関わりについて探求しました。また、一貫して「エクリチュール」(書かれたもの、書き言葉)を対象とする研究を行いました。例えば、書き言葉は話し言葉とは異なり、間接的に表現されるものです。つまり、書き言葉には「文字通りの直接的な意味」と「言葉の裏にある意味」があり、一概には解釈されません。バルトはこうした意味の二重性に注目しました。

1953年に発表した処女作『零度のエクリチュール』は、これまでの文学研究に新たな視点を提示した本です。文学と社会構造の関連性を鋭く指摘し、出版当初から注目を浴びました。その後も積極的に演劇批評を行ったほか、1954年より月刊誌にて連載を持ち『今月の小さな神話』というタイトルでエッセイを執筆します。この連載の中でバルトは、現代社会に蔓延するイデオロギー的な「神話」の存在を暴き、日常生活や慣習の中で見過ごされがちな、隠されたブルジョワ的イデオロギーの濫用を批判しました。連載の内容は編集・加筆される形で『現代社会の神話』(1957年)、抄訳としては『神話作用』が出版されています。

1958年以降は記号学にも手を広げ、新たな批評を展開していきます。『記号学の原理』を出版した後は、言語学の研究をもとに、文学・演劇のみならずファッションなど文化全般を対象とした分析を実践しました。『モードの体系』では、ファッション誌などのジャーナリズムにおける表現に注目し、衣服と言葉による意味作用について考察しました。

ロラン・バルトが提唱した概念で、有名な「作者の死」という言葉があります。一般的に文学の読解や批評などにおいて、「作者の意図を理解すべきだ」「作者の意図をうまく言い当てたものが優れた批評だ」と考えられていますが、そこには、作品の「創造者」たる作者が作品の意味をすべて支配していることが前提となっています。バルトはこうした構図を批判し、「作品の解釈までも支配する作者などは存在するのか」という疑問を投げかけます。そして、「作品」から作者の支配を取り除いた「テクスト」を区別し、読者がそれぞれの理解で作品の意味を作り出していく読解方法を提唱しました。

また、バルトは親日派として知られ、日本との深い関わりがあります。日本に滞在した体験をもとに執筆された日本文化論『表徴の帝国』も世界的に広く読まれている一冊です。70年代以降は、エクリチュールに関する分析・実践は新たな段階に移り、テクストと快楽の関係性を批評的に述べた『テクストの快楽』を発表しました。晩年はコレージュ・ド・フランスで教鞭を取りながら、『明るい部屋』『恋愛のディスクール・断章』を出版します。

『記号学の冒険』は、バルトの記号論における主要な論文をまとめた一冊です。文学研究のみならず、「記号学と都市計画」「記号学と医学」「社会学と社会論理」など、幅広く応用された記号学の実践を見ることができます。

ロラン・バルトなど思想・哲学に関する古本の買取強化中!

愛書館中川書房では思想や哲学関する古本の出張買取を承っております。『ロラン・バルト講義集成 全3冊揃い』『フーコー・コレクション 全7冊揃い』『ジル・ドゥルーズ著作 全18冊揃い』『デッサンと肖像(アルトー画)』『西田幾多郎全蔵書目録』など、お手元に気になる本がありましたらお気軽にご相談ください。

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カテゴリ:取扱書籍 > 思想・哲学など

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